306. 感電体感するユニットを開発

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2007年に開発した鉄道向け事故対処と運転訓練シミュレータは、実機連動が基本でした。従って災害を体感し危険意識の改善を狙った製品の開発は、当初シミュレータと同様の実機連動型として開発が進みました。実機連動は工具と機材を簡単なシミュレーションにより接触判定する場合には障害は現れません。但し仮想空間の手の位置と実空間のハンドル等を重ね合わせ合成処理する場合には、位置の不一致が起こり位置ずれによる障害となります。これを防ぐには、仮想空間と実空間の座標合わせキャリブレーションが必要です。このキャリブレーション操作は、運用時に手間が掛かり運用時の障害になります。

仮想空間と実空間の空間合わせキャリブレーションを行うには、位置検出精度の高いモーショントラッキング装置が必要になってきます。高性能なモーショントラキング装置の利用はハードウエアコストの障害となります。2015年に登場した低コスト・マーカレス・モーショントラッカー(303話参照)は、位置精度が劣り、この課題を簡単に解決する事は出来ませんでした。ゆえに実機連動による体感を諦め、仮想空間中で触覚を再現する方向へ方針変更します。2014年に高機能触覚ユニット(305話参照)のプロトタイプは完成していましたが、コストを抑えた感電災害に特化した感電体感ユニットの実用化が望まれます。電気ショックによる痛覚と偏心モータによる痺れを模擬した低コストの感電体感ユニットを製品化しました。