139. 安全に心に触れる

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人のこころに直接触れる事について考えます。特にテーマで有る安心は、「人が知識・経験を通じて予測している状況と大きく異なる状況にならないと信じていること、自分が予想していないことは起きないと信じ、何かあったとしても受容できると信じていること。」と定義されています。それでは人が安心と感じる体感プロセスを生物的なアプローチで考えてみます。人は体の感覚器を通して体験した事象を伝達します。ここで示す感覚とは、五感、平衡感覚、内臓感覚です。体感事象が体に伝達されると先ず獣的な感覚で有る情動が発生し次に感情が発生し心が発生します。その後条件が揃うと動機が生まれ、動機に従って判断し行動が実行されます。この体感プロセスは、感性工学、神経学、脳化学、心理学、哲学により導き出されています。これらの一連の体感過程を示すスケールとして説明に使います。

人に感情を起こさせる為には、感覚再現を行う手段が必要です。感覚再現を行う手段は、工学的なアプローチを用います。光を捉える視覚と音を捉える聴覚は、VR Virtual Realityのテクニックを利用して再現します。体に直接触れ感じる触覚や平衡感覚は、ロボットの制御技術を応用し再現します。ここで触れた感覚を再現する為には、体をカメラで捉え骨格の位置より体の動きや姿勢を検知する為に画像処理技術を使い捉えます。画像処理で捉えた姿勢情報を仮想空間の人型分身モデルに反映し視覚的に表現します。仮想空間内に物体と触れる為に体の位置と物体間の接触判定をCPUにより物理計算処理により接触時期を算出し、フィードバック制御技術により触覚生成を行います。このように感覚再現の為に工学的な手段で実現します。人に感情を発生させる方法を考えます。人の感情は喜怒哀楽で示される通りです。第91話のブログで感情について定義しています。夫々の感情は、感情に合わせ五感や体で感じる平衡感覚、触覚を刺激しながら内臓感覚を刺激し作り出します。現在我々の研究では高覚醒高ネガティブ感情で有る恐れを中心に、恐れが必要な感覚要素を導き出しています。大切なポイントは、刺激の与え過ぎによる心の障害を防止する事が重要です。従って人の感情を正確に評価する仕組みが必要です。感情評価は、アンケートによる主観的な評価手法、体の反応を検知する客観評価手法により評価する必要が有ります。感情の評価には生物科学的な手法により解明し評価する仕組みが必要です。これらの仕組みを通して安全にこころに触れる事ができるようになります。人のこころに触れる事ってとても大変ですね。