128. 第3話.製品実態調査による解析&対策及び安全推進の活動サイクル

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不幸にも災害が発生してしまった場合、先ずはその状況を調査記録し、データを分析しその災害が起きた要因を見つけ出し、災害の再発を防ぐ為に対策を決め、改良により再発を防止する設計改良を実施、改良された製品をふたたび市場へ投入し安定状態を見極めます。合わせて類似した災害を防止する為に災害情報を作成し、災害データベースに記録します。災害データベースは、災害を知る学ぶデータとして、データを蓄積しながら安全性を高める活動です。これらの安全性を高める手法は、既知災害(一度世の中で発生した災害)となった災害に対し、非常に有効な方法で有り、欧米で盛んにおこなわれています。災害の発生要因を設計段階で無くす安全確保の為の手法です。災害発生要因を見つけだし、災害が発生する原因そのものを封じる事により安全性を高めていく方法です。残念ながらこの方法は、未知の災害については対応できないケースが存在します。このように対応できないケースでは、失敗を経験する事になります。災害を受け止め、安全対策を製品にフィードバック出来ればその後の災害発生は確実に減っていきます。この方法の大切なポイントは、継続実行出来るかどうかです。

継続実行出来れば社会の安全性は上がります。従って改良の為の一連のプロセスを確実に実行し続けると同時に継続する仕組みと活動を維持する社会的な仕組みが必要です。災害を未然に防ぐ為に、根本より災害を排除する西洋的な方法、社会で発生してしまった災害に対応し災害事象を分析し、試行錯誤により災害を減らしていく東洋的な方法、共に、安全を確保する上で重要な対応方法です。社会的に継続維持する為には、災害に向き合う災害調査者、災害データの記録者、災害状況分析者、災害原因と対策立案者、設計者、製造者、災害関係者、災害予防を指導する関係者等の組織だった連携活動が最も重要になります。これら一連の活動が実現できる様に、関係者が作業を分担し、調査チーム、データ取得・記録チーム、原因分析チーム、対策検討チーム、設計改良チーム、検証評価チーム、普及教育チーム等、夫々専門性と技術力持った企業と研究機関の連携が必要です。これら連携活動は小規模では、対応出来ないケースが多々有り、障害になる可能性も出てきます。従って国・行政の団体が、安全維持の為の継続改善活動を呼び掛けると同時に、活動をバックアップし活動を維持継続すると同時に、情報を共有できる体制として維持する必要が有ります。我々はこの活動を安全活動のサイクルと呼び、行政、研究機関、民間等で組織したコンソーシアム構築による運営体制の整備を呼びかけます。コンソーシアムのメンバーと一緒に安全維持の為の活動を行い、協力し合うと同時に、安全を確保する為の情報を共有し、その情報をメンバー全員で利用し安全性を向上し続ける活動の維持が社会にとって最も重要です。