127. 第2話.サイクロンによる製品の改良プロセス

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新規にVRソフトを開発したプログラム完成度は、一般的に満足度=40%~60%で有る事が我々の経験より判ってます。開発に関わった顧客イメージと合意が取れ完成したVRソフトが、例え初期段階で満足度が高く評価されても、製品の運用を通じて広く多数の人に使って頂くと、徐々に実態が明らかになってきます。多くの利用者の感性と一致し合意を得られるケースは限られてます。第一話でも話しましたが、人夫々の感性が少しずつ異なった形で感覚が分布している事に起因します。人は感覚系を通じ体感し、夫々微妙に異なった経験に基づき脳と照合しながらトップダウンにて処理を行い感じ感情が生まれます。この感情が発生する過程で感性が作用します。このように人の感じ方は夫々微妙に異なっている事が判ってます。この点を考慮した上で教材としての質を個別に高める必要が有ります。なぜならばVRを利用した教材は5感を伴った体感が主の教材だからです。従って一度完成した製品を多数の人に使用してもらい、目的に沿って感じた事をレポートとして主観的にまとめ、それの提供を受け、その内容に基づいて対策案を検討し改良を加える事で、顧客の満足度は徐々に上がってくることが確認されてます。一般的に一度目の改良により平均で10~20%前後の人に対して目的を達成出来るように変化します。勿論この改善率は、試験者の意見数が多ければ多いほど改善率は上がりますが、中々一気に改善する事は出来ません。

従ってこれらのフィードバック改良を繰返えし実行する事により、放物線カーブに合わせ徐々に減衰しますが適用範囲を広げる事が出来ます。フィードバック改良を加えながらより多くの利用者に効果が出せるよう適用範囲を拡げます。このように合意を得ながら徐々に教育の質を上げ続ける事が最も有効な方法です。我々はこの改良手法をサイクロンと呼び製品改良の理念として利用しています。人の多様な感受性に関わる体感型の教育プログラムは、サイクロンにより教育の質を高める事ができます。特に災害データベースの構築には非常に適した手法です。一度開発費した製品は、フィールドで改良されその有効性が評価されます。人の感性に従いVR体感時に受けた時に一部で感じ方が異なる事が確認されてます。これは体に感じる感覚が広く多数の感覚が存在し、その事象毎に主要因となる感覚が人夫々で異なる為です。VRにて再現する感覚が少ない場合には、その不足する感覚を見つけ出す工程が必要になり、様々な方々に体感を通じた主観的な感想より答えを導き出す必要が有ります。このように製品を広範囲の方々に適用させる為には、体感者の主観的な意見を得て、フィードバックすべき内容を分析し、製品にフィードバック改良する事で、徐々に適用範囲は広がります。これらの作業は地道な試行錯誤が伴う改良作業になります。正規分布で分布する人の感受性のピークを中心に、ピークより末広がりに存在する方々に対応し適用範囲を広げる事が体感の質を向上させる事に繋がります。体感の質は教材としての質を高める事であり、社会に取って有意義なサービスが提供される事を意味します。