77. 安全は知識融合が必要「第3話:立ちはだかる障壁2」

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バーチャル体感で重要なポイントは人に現実との差を可能な限り感じさせない事です。特に人の姿勢を検知してからバーチャル空間への反映を遅延なく再現する必要が有ります。この条件を満たさないとVRを継続利用した時に生じるVR酔いや疲れが生じます。遅延は様々な要素で発生します。取り扱うデータ容量、コンピュータの描画能力(1秒間に何枚描画を更新できるかを数値で示し、フレームレートと呼ぶ)、モーショントラッキングカメラの画像取得と位置算出能力、これら系全体を処理する系の能力により決まります。代表的な画像処理システムが処理する更新時間=遅延時間は下記の通りです。

 3D描画処理速度          : 90フレーム/秒(理想は100フレーム/秒以上)

 トラッキング処理速度 : 60フレーム/秒(理想は100フレーム/秒以上)

 システム処理速度=イメージ蓄積+画像転送+位置補正処理+3D描画処理

 ≒ 22.2msec + 11.1msec + 11.1-16.6msec = 44.4-19.9msec/cycle(遅延時間)

  (※但し、イメージ蓄積、転送は、画像処理系のイメージャー性能による異なる。)

ここで示す遅延時間がシステムのロス時間になります。遅延は少なければ少ない方が人にとって良いのですが、特殊な高速カメラを除いたシステムの最速処理時間です。VR酔いは、遅延以外にも幾つかの条件を満たさないとVR酔いが発生します。これらの条件を考慮してアプリケーションを構築する必要が有ります。体感疲れは、解像度、遅延時間、光学的な光の再現による影響を考慮しソフトウエアによる表現により眼への負担が変わります。これらの影響を評価するには生物的な解明が必要です。

次にあらわれる課題は、直感的なオペレーションの問題です。さてマイノリティーレポートの映画の様な操作系が直感的なのでしょうか?そもそも直感的な操作ってどのような対応が良いのでしょうか?現存するVRデバイスによる操作は、本質的に実空間とVR空間内での操作系不一致による面が大きく影響します。技術的に完全にリアルとバーチャル空間の操作系を一致出来ません。現存するVRデバイスで如何に仮想的に直感的な操作に近づけるかが重要になります。これらの課題を解決しながら次の改題に向かいます。次の改題は再現される仮想感覚と現実感覚不一致です。コストが高くなっても現実と完全に一致した方が良いとの考えもの有りますが、人の全感覚を再現する方法は未だ実現出来ません。従って事象毎に何処まで再現すれば良いかと言う議論になってきます。各種再現装置により感覚再現を行う事が出来るようになっています。リムで再現している感覚は図の通りです。専用の安価なデバイスで様々な感覚再現が可能になっています。最後の課題は、ネガティブ感情を再現する事による生まれる可能性が有る、再現強度過多による心的障害です。人の心の安全を保つ為に心的障害は、完全に防がなければなりません。