119. 安全は知識融合が必要「第2話:立ちはだかる障壁1」

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VRを利用し安全を考えると課題にぶつかります。これら一つ一つを解決し進めます。先ずは仮想空間の構築です。人が構築した街、建物、構造物、物品、道路等の人工構造物をリアルな形で作り上げる必要が有ります。最新の技術の利用により、3DCADデータ、多方向からの写真、レーザ計測により三次元形状を再現する事が出来ます。但し取得した素のデータをコンピュータでリアルタイム処理するには演算量が多く、データを簡素化する必要が有ります。従って実際は目的に合わせ仮想的なモデルを一つ一つ作成する必要が有ります。求められるリアルは、実際の環境と比較し嘘の無い環境再現です。バーチャル空間でも実際に有ると思わせる空間が必要です。リアルリティーは“フォトリアリスティック”な再現と混同されるケースが多いです。フォトリアルはさほど仮想体感で重要な要素では有りません。但し利用目的によっては写真を利用したバーチャル再現が必要なケース(バーチャル旅行など現実世界と異なると意味をなさない物)も存在します。フォトリアルの実現は、コンピュータの演算能力向上により、陰影、光の特性をリアルタイムである程度シミュレーションできます。環境再現を効率的に実現する為に、リアルタイムVR用の3Dデータベース環境(地球上に存在するあらゆる形状物と自然環境)を準備する必要があります。質の良い(人工物の場合、機能的な嘘が存在しない状態)3Dデータを再利用する事により、コストを下げ開発速度を上げます。

ハードウエアの進歩により人の視野を再現する事は、VRゴーグルとコンピュータの描画能力により容易に実現出来るようになっています。人の動きや姿勢に対応し、センサートラッキングにより人の動きと姿勢を検知し、リアルタイムで映像の見え方をコンピュータで補正処理し没入感を確保します。これらは技術の進歩により高性能で安価なハードウエアにより実現します。次に3D環境の再現が出来ると、環境の雰囲気に関わる環境音の再現が必要になります。人は環境を認知するのに視覚と音で94%を判断します。(変化の無い定常状態に於ける知覚は、視覚=約83%、聴覚=11%)音は、11%の判断材料になり重要です。

Mr.RiMMより:今回の掲載が2021年の最終掲載になります。2022年は1月12日に初掲載を予定してます。