96. バーチャルリアリティーは人に近づき進化します。

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バーチャルリアリティーは1960年代に登場します。当初軍用の表示装置としてヘッドマウントディスプレーが開発されます。このヘッドマウントディスプレーが現在のVRゴーグルの原型です。その後1990年代に没入型キューブディスプレイ(キューブ内面に立体像が映し出され全周囲が再現される)が登場し、訓練シミュレーション分野では一般的に利用されます。VR訓練シミュレーションは2000年代に多数開発されますが、導入と維持コストが大きく普及を妨げます。2010年以降ゲームでVRの利用が進み、屈曲プラスチック成型レンズとスマフォ向け高精細パネルの出現により安価なVRゴーグルが登場します。このVRゴーグルの登場によりVRソフトウエアの質と量、更に利用分野が大きく発展します。ゴーグルで再現される視覚と聴覚は、よりリアルな感覚再現を求められます。更に触覚、嗅覚の同時再現に注目が集まります。そこで注目される事は、人が持つイメージと一致する5感覚の再現は何かと言う事です。実空間で生活し体験するシチュエーションは多種多様で有り、その再現が重要です。この多様性を網羅し、人のイメージに合致させる為には、感性と心理が重要な要素となります。感性と心理は人の脳に経験を通して記憶されたデータより導かれる感覚であり、また人が生物として元々持っている、獣としての感覚です。何れにしてもこの感性が人それぞれ違っており包括的に網羅する事は難しいです。誰もが感じると思われる美的センスは、人が感じる事が出来る共通のセンスです。VRは感覚の仮想再現手段で有り、各分野でソフトウエアを生かすにはこのセンスが最も問われます。このセンスこそが人の特性そのもので、未だ解明されてない課題です。従ってこの分野は人の感性を解析し、それを利用していく事が大切です。