人の安全を確保するには、人の生物的な仕組みを理解する必要があります。VRは視覚と聴覚を中心に発展してきてますが、労働災害時の感受性向上には、人の体が傷つく怖さを知らせる事が重要で、体に感じる平衡感覚、皮膚感覚、触覚を併用する事で感受性が向上する事が判明してます。また反対に視覚のみで怖さを伝達できる事象は非常に少ないケースに限られてしまうことも判ってます。映像上の怖さだけで危険意識を改善するのは非常に大変です。反対に余計な恐怖を与え、感受性向上にマイナス方向に働くケースも発生してます。
このように感受性向上VRは、五感覚を再現して、災害の怖さを感じさせ、こころに直接働きかける仕組みです。従って、感覚の刺激量を適切にコントロールし、場合によっては人それぞれの感度に応じた刺激量の調整が必要になります。我々は、人の安全性を高める為に、感覚器、神経、脳化学、心理学の分野をスタディーしシステムに必要な要素技術として組み込んでいく必要性を感じています。既に医療知識を持ったエンジニアがシステムの開発に加わり、人に対する安全性も考慮しながら新しい課題レジリエンスのシステムを構築をします。
今回で51回目の掲載となりました、読んで下さった方々には感謝いたします。一寸息切り気味でも有りますので、2020年は今回の掲載で一旦完了とさせて頂きます。なお新年号は、2021年1月27日の掲載を予定しようと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。