214. 安全に関わる経験を体に記憶する。

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リムを立ち上げた目的は、人の安全を確保する新しい手段を提供する為です。VRを利用した訓練レーションで体を動かしながら訓練を体感させることで、作業シーケンスなどの操作を効率的に体に覚えさせる手段として製品化しました。また仮想空間での体感を人に没入させるには視覚だけでは難しい事が判ります。環境音を再現する事により人が作業環境を感じより仮想空間に没入出来る事を学びます。危険事象を仮想再現する為に、体を身構える平衡感覚を再現する事で、人が倒れた経験を呼び起こし、倒れる恐怖を感じる事を実験的に求めます。また体が傷つくような災害再現では、触覚や痛覚による伝達が怖さを表現するうえで重要である事を学びます。仮想空間内の体感で、人の安全意識を改善する為には適度な怖さにより危険意識が改善される事を実験的に見つけます。ネガティブな五感に着目し様々な災害を再現することに集中します。既に嗅覚を再現する技術を開発し製品化しています。味覚を除く五感により仮想体感する仕組みを製品化しています。

様々な労働災害を再現し続けるに事により新しい発見があります。災害により体感効果を出す為の五感再現は、組み合わせが異なる事が判りました。人が怖いと感じる感覚は、視覚で怖さを感じるケースは非常に少ない事実を確認します。人が労働災害で感じる怖さは、体が傷つく怖さや、姿勢が崩れる際の怖さ、環境が急激に変化する怖さ等、怖さにはたくさんの種類があることに分ってきます。人の怖わさはどのような仕組みで感じ、怖い感情が発生するのか?と言う疑問が浮かび上がります。人が怖いと感じる仕組みを考えるようになります。生物化学的に怖さの研究を進めると、人の経験に基づき体が自動的に怖さを判断する仕組みが体に備わっている事が判明します。ここで” 過去の経験 ”について着目します。人が生まれ体感した経験が脳に記憶され、その記憶に基づき怖さを判断するケースをまず想像します。次に生物が生まれる前から引き継いでいる仕組みを考えます。人が生物の進化過程で経験した記憶に基づき怖さを体に記録する仕組みが判り始めています。生物が生命に関わる危険を体感すると、その経験が遺伝子に体感が記録され後世に伝える仕組みが学術的に解明されつつあります。また体の神経も脳神経と同じであることが判っており、神経に記憶が記録される仕組みについても解明されつつあります。このように様々な経験に基づき人は怖さを自動的に判断している仕組みが判りつつ有ります。

2023年も残り僅かとなりました。今年のブログ発信は最後になります。次回は2025年1月6日掲載を予定しております。ここまでブログを見て頂き大変ありがとうございます。