人は体感した出来事を感覚器官を通じてどの様に特徴を捉え記憶しているのかを考えてみたいと思います。視覚は、眼の網膜で捉えた映像を画像的な特徴点を基に画像を分析し、点、線、交点など判断しながら輪郭を抽出します。その情報を基に物体を認識すると同時に空間のどの位置に物体が存在するかを判断しています。ここで注目すべき点は、人は多数の情報より特長を抽出し、脳内のデータと照合しながら状態を判断します。この過程で情報を減らしながら必要な情報のみを残し一次記憶すると思われます。聴覚、触覚、嗅覚、味覚も同様に、多数の特徴を捉えた感覚毎に抽出し状況を把握していると思われます。
五感が捉えた情報を複合的に利用し、人が置かれている状況や目の前で発生している事象を瞬時に判断していると考えます。感覚器官を通じて得られた状況や事象の重要性を判断しながら一次記憶に残します。一次記憶された経験は、その重要性を脳や体が自動的に判断し長期記憶として記憶したり、記憶を残さず消去したりする仕組みが働いていると考えられます。何れにしても大切な事は、感覚器官が捉えた膨大な情報より必要な情報を抽出し情報量を圧縮した形で残していると考えれます。また人が個々の感覚器官がどの様に特徴抽出しているかを解明する事も記憶する仕組みを考える上で重要です。