314. 車両が接近し通過する風を作り出す

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

過去に乗り物の運転を仮想体感する為に、様々な訓練シミュレーター開発してきましたが、2018年に珍しい仮想再現の依頼が有りました。それは車両が接近し通り過ぎる際に発生する風を再現して欲しいと言う要望です。運輸業務に関する依頼でしたが設備メンテナンスで、車両が接近し安全を確保する為に、衝撃風で物が飛散する怖さを体感させたいとの要請でした。既に床が上下動作し平衡感覚を再現した動揺装置(blog304話参照)は、高圧エアーを利用した風圧再現機能を実装済みでした。これを基に車両が接近時に車両近傍で起こる衝撃風の再現と車両通過後に発生する巻き込みによるマイナス風の再現を試みます。

風を再現するユニットは、実績の有る高圧エアーブローにより実現します。15秒間の風を再現する為に大量のエアーが必要になります。15秒以上のエアーブローを実現する為に25リッターのエアータンクを75リッターまで増やします。全方向からの風圧を再現する為に3方向にノズルを設置しています。車両が接近する際の前方風は、微風、弱風、強風を再現する3種のノズルを前方に設置します。車両接近時に発生する衝撃風は、前方3強度の風で再現します。通過後に発生する巻込みと引込み風は、横と後方に設置したエアーで作り出します。車両が接近するイメージに合わせて衝撃風と巻き込みと引き込み風を再現しました。説明したブロー型の風圧装置を利用した衝撃風体感装置は2018年に実現し、人の安全を守るため運用頂いています。