400. 多ケースのシナリオで訓練し、災害を他人事にさせない!

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日本は地球の地盤プレートの境目に存在し自然災害を回避できる環境には有りません。従って人の災害に対する危険感受性を定期的に高める続けると同時に、災害が発生した際に落ち着いて危険を判断し、生命を守る回避行動を促す手段の実現が必要です。これらは常日頃訓練し災害時に対処する必要が有ります。回避行動を真剣に学ばせるには、訓練を他人事にさせない。訓練環境に没入させる。直感的な操作で体感が進行する必要が有ります。訓練シナリオは、個々の人が置かれた環境に近い形で、容易に多数のケースを作成しながら学べる必要が有ります。合わせて訓練シナリオは、体感者の判断に応じてシナリオが自動的に遷移し、判断が遅くなれば状況は悪化する事を人に学ばせる必要が有ります。我々は、過去の災害から学んだ「想定にとらわれるな」、「常に最善を尽くせ」、「自ら率先して行動を起こし避難せよ」を教訓とした訓練システムの実現を目指し開発しました。

VRの体感シナリオは、記述プログラミングによるソフトウエア構築が一般的です。災害知識を持っている危機管理者はプログラミングに対する知識を有しないケースが多く、プログラミングは訓練シナリオを構築する上で障壁となっています。プログラム知識を持たない人でも容易に災害シナリオを構築できるようにする為に、予め用意された3Dデータやシミュレーションモジュールを用いてGUIの操作だけによりプログラムを完結するシナリオ編集機能の開発を行い実現しました。これにより災害ケーススタディー数を危機管理者により容易に増やす事が出来ます。訓練教官は300話で取り上げた「災害の判断行動を訓練する為に体感装置」を操作しながら、災害訓練を演出すると同時に教える事を通じて、危機管理をより実践的に学びながら、危機管理の専門家を要請する事も合わせて狙ったシステムです。